一昨日の新聞によれば、全国で所有者の分からない土地は九州より広いのだそうです。それにより都市の再開発が計画通りに進まず、土地を有効活用できない経済的損失の試算は6兆円とのことです。
不動産を取り扱う仕事をしていて、今の日本の登記制度について改正すべき点があると思っています。所有権を取得した人は、自らの権利を守るために所有権移転登記をしますが、それは義務ではないのです。
それ相応の対価を支払い売買で不動産を取得した人は、当然登記をするでしょうが、相続により取得した場合、遠方の物件や売るに売れない山林など、物件によっては登記をしないままというケースがあります。また、複数の相続人の内、行方の分からない人がいれば、相続登記をしたくてもできないというケースもあります。そのまま放置した結果、次の相続が発生し権利者がネズミ算式に増えていき、収拾がつかなくなる。こうして所有者不明で放置されたままの土地が増え続けているのが現状のようです。
面倒な手続きや様々な書類が必要な相続登記を簡単にして義務化し、相続人の中に行方不明者がいても、一定期間を経れば相続登記ができるよう変えていくべきだと思います。
このままでは2040年には所有者不明の土地は、北海道の面積に迫るそうですよ。