平成24年9月23日(日)の日経新聞に「中古住宅情報100万件」「官民で集積20兆円市場育成」といった見出しがトップ記事として掲載されていました。
実は日本の全住宅流通市場に占める中古住宅の流通シェアは欧米と比べて格段に低いらしく(平成20年の統計ではアメリカ77.6%、イギリス88.8%、フランス66.4%に対し、なんと日本はたったの13.5%!)、今までは新築住宅がその主役でした。
それを国が主導してリフォームによって住宅ストックの品質・性能を高め、中古住宅を主役にしようとしているのです。平成22年6月18日閣議決定の新成長戦略に示されたその数値目標が2020年までに中古住宅流通・リフォーム市場の規模を倍増=20兆円なのです。
中古住宅の売買仲介をメインに行い、売買に付随してリフォームも数多く手掛けているトレック不動産販売にとってはこの流れは追風に間違いありませんが、油断はしてられません。
皆さんは今まで住宅流通の主役が中古住宅でなかった一番の原因は何だと思いますか?
中古住宅の流通に携わる現場の人間として実感しているのが、物件自体の情報量の少なさ、不透明さです。具体的に言えば、建築確認書類はあるけど、検査済証が無い・・・、役所のお墨付きが無いので、申請した通りに建築されているのかいないのかが一般のお客様では分からず、不安を感じます。また、建築時の設計図面や電気の配線図・ガス・上下水道の配管図などが残っていなかったり、前所有者が修理、改修した履歴が保存されていないので、新所有者がいざ修理・修繕が必要となった時に適切な対応に時間がかかったり、今後の修繕計画を立てにくいといったこともあります。あまりにも物件そのものの情報が不透明であれば、購入に躊躇される方もいらっしゃるでしょう。結果として、中古住宅よりも新築住宅を選択されるんですね。
中古住宅の流通を促進するためには、こうした物件そのものの細かい情報を正確に全て保存し、購入を検討されている方にネガティブ情報も含めてすべて開示できること、そしてその情報を新所有者に引継ぎ、新所有者も修繕履歴などを正確に蓄積していくことが重要になってくる筈です。
今後は、こうした情報が整備蓄積された物件と、そうでない不透明感のある物件とでは資産価値そのものに差が出てくるでしょう。
まだ勉強段階ですが、今後トレック不動産販売では、良質な中古住宅には何が必要で具体的に何をしなければいけないかをご提案し、お客様の大切な財産である住宅の資産価値向上につなげていけるようにしたいと考えています。
平田